「活版印刷三日月堂」と川越に復活した活版印刷工場

活版印刷三日月堂

東武東上線の川越駅構内にある小さな書店では、店頭で川越にゆかりのある本を展示しています。

旅本やブラタモリの本などに混じって、川越を舞台にした小説「活版印刷三日月堂」があったのに興味を惹かれ手に取ってみました。

ポプラ社から4冊の文庫が出ていて、巻号が振られていないので、順番が若干わかりづらいですが、以下の順番で出版されています。

①活版印刷三日月堂 星たちの栞

②活版印刷三日月堂 海からの手紙

③活版印刷三日月堂 庭のアルバム

④活版印刷三日月堂 雲の日記帳

といっても、各巻には4つの短編小説が入っていて、どの巻からでもお話としては読めると思いますが、前の短編に出ていた登場人物が出てきたりするので、順を追って読んだ方が味わいは増すかなと思います。

各巻のサブタイトルになっているのは、それぞれに収録されている短編小説の中の一つのタイトルからとられています。

まずは「活版印刷三日月堂 星たちの栞」を読んでみたのですが、巻のタイトルにもなっている「星たちの栞」は圧巻でした。

宮沢賢治の「銀河鉄度の夜」のセリフがお話の中で効果的に使われていて、さらにこれが(お話の中で)活版で印刷されていることを想像すると、言葉の力をまざまざと感じることができるのだろうな、とおもいました。

他の短編もそれぞれに面白いです。

活版印刷の話なので技術的なことも書かれているのですが、あまり専門的にはならず、あくまでメインは人と人との物語。そして人が紡ぐ言葉のお話です。

それと川越を舞台にしてはいますが、そこまで川越色を出しているわけではありません。

半年ほど前(2018年8月7日(火)~2019年1月20日(日))には飯田橋にある印刷博物館で活版印刷三日月堂とのコラボ企画があったようで、もう少し早くこの本を手にできていたらと悔やまれます。

企画期間中は、ワークショップが開催され、なんと八木重吉の活版印刷詩集をつくるという催しまであったようです!残念!

八木重吉と言えばこの詩が有名ですね。

素朴な琴

この明るさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美くしさに耐えかね
琴はしずかに鳴りいだすだろう



川越に復活した活版印刷工場

「活版印刷三日月堂」の舞台になった川越で、2019年に活版印刷工場が復活しました。

櫻井印刷所という川越市の印刷所が30年ぶりに復活させたとのこと。それもこの本の作者のほしおさなえさんとの縁でとのことでした。

櫻井印刷所が季刊で出しているフリーペーパー『kawagoe premium』は、2016年の「日本タウン誌・フリーペーパー大賞」を受賞しており、やり手の印刷所です。

こちらも5月18日に活版印刷ワークショップ(無料)を開催していたらしく、行きそびれてしまいました。

今後の開催は未定とのことですが、ぜひまた開催してほしいです!


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