“縁むすびの神様”として広く知られる川越氷川神社。今年も開催された「縁結び風鈴」に合わせて見どころを紹介。またSNSに見事な適応を果たした仕掛け人について考察します。
川越氷川神社へのアクセス
川越氷川神社は、東武東上線川越駅から北に3km弱の場所に位置しています。
東武東上線川越駅、川越市駅、西武新宿線本川越駅から20~30分ほど歩けば着きますので、蔵造りの街並みなど観光がてら歩いて行ってもいいかもしれません。
バスを利用する場合は、以下のルートがあります。
■東武東上線「川越」駅からバスを利用する場合
東武バス・7番乗場 「川越氷川神社」下車徒歩0分
埼玉医大・上尾駅西口・平方・川越運動公園行
東武バス・1番乗場 「喜多町」下車徒歩5分
神明町車庫・城西高校行
小江戸巡回バス「氷川神社前」 徒歩0分
■西武新宿線「本川越」駅からバスを利用する場合
東武バス・5番乗場 「川越氷川神社」下車徒歩0分
埼玉医大・上尾駅西口・平方・川越運動公園行に乗車ください。
東武バス 「喜多町」下車徒歩5分
神明町車庫・城西高校行に乗車ください。
小江戸巡回バス「氷川神社前」 徒歩0分
色とりどりの縁結び風鈴と映える写真スポット
氷川神社は、入り口がすぐ道路に面しています。

神社入口

入口手前はすぐ道路に面しています
入口手前は車の行き来が多く、また参拝客も多数います。道は非常に狭いため境内に入る手前で写真を撮ろうとすると、警備の方に「写真は境内に入ってからお撮りください」と注意されます(^^;
鳥居をくぐると、すぐに、風鈴のアーチが出迎えてくれます。
今は、縁結び風鈴の期間(令和元年 7月6日(土)〜9月8日(日))のため、このようなセットがされています。
境内はこの人だかりです。
少しわかりづらいですが、左側の社殿に参拝する行列と、中央の風鈴のアーチに並んでいる行列と二つの列があります。
早速、風鈴のアーチの方に並んでみます。列は長いですが、10分程度並ぶとアーチをくぐって中に入ることができました。
見た目より、風鈴は鳴りません。
ちょうど風鈴回廊をくぐっているときに、強い風が吹き、良い音を鳴らしている動画が撮れました。
風鈴は奉納されたもので、ひとつ2,500円で販売されています。
さて、境内には他にもさまざまな写真スポットがありますが、ひときわ目を引くのが、こちらです。
深紅の風鈴に囲まれて写真を撮ることができます。
若干やり過ぎ感はありますが、皆さん楽しそうに写真を撮っていました。
写真左端に立つ柱は自撮り用のスマホ設置台ですね。
柱の上部に切り込みがあり、ここにスマホを設置すれば、誰かにお願いしなくても写真撮影ができます。
氷川神社では、「縁むすび風鈴 写真奉納」 というサイトを用意しています。
http://www.hikawa-fuurin.jp/photohounou/
Instagramで投稿された写真が、氷川神社に奉納されるという仕組みです。
「むすびCafe」で一服。おしゃれすぎるカフェの中
氷川神社に併設している氷川会館内に「むすびCafe」という大変おしゃれなカフェがあります。
行った時には、ランチタイム(11:00~14:00)は終了していましたので、コーヒーとデザートのセットを注文。
デザートも珈琲もどちらも大変美味しかったです。
また、店内は凝った調度でいっぱいでした。

丸砂糖入れ。ピンクの丸砂糖が中央にきているのが心憎い

伝票裏にはCaféのロゴマーク
店内にはさまざまなグッズも販売されています。
どうしてこんなに上手なのか・・・仕掛け人は誰?
一通り見てきて感じたのは、誰か(どこか)にブランドデザインされているのでは?ということです。
川越氷川神社・宮司 山田 禎久(やまだ・よしひさ)さんは、以下のように語っています。
神社としての伝統を守りながらも、カフェを併設したり「縁むすび風鈴」など新たなことにも積極的に取り組んでいる。インスタ映えのためにやっていると揶揄(やゆ)されることもあるが、山田さんは決して面白さ目当てで行っているわけではないと語る。
「昔の人は、風が思いを運んでくれると考えていました。今の私たちはSNSで既読スルーされるといらいらするなど、非常にせわしない生活をしています。昔の人のように返事が来るか分からなくても、風に思いを託すような考え方を知ってほしいのです。」
“縁結び・川越氷川神社宮司 大隈重信の言葉で知った伝統・地域を守る価値”「早稲田ウィークリー」2019.6.26 より
どうやらこの宮司さんが色々と立案なさっているらしいです。
それでは具体的な企画・実施については、どのように行っているのでしょうか?
「縁むすび風鈴回廊」は、TSP太陽株式会社というイベント会社が企画やデザインなどを行ったそうです。
https://www.tsp-taiyo.co.jp/project/85/
また、むすびCafeについては、小泉 誠さんという家具デザイナー(武蔵野美術大学教授)が空間全般のデザインを手がけているとのことでした。
https://musubicafe.com/makoto_koizumi
むすびCaféに置いてある様々なグッズは折形デザイン研究所というグラフィックデザイナー集団が手掛けています。
川越氷川神社は外部の専門家や業者を上手く活用して、参拝客の増加を見事に成功させた例と言えるのではないかと思います。
正直ちょっとやり過ぎでは?と思ったこともありました。
が、「ファーマーズマーケット」の蓮馨寺や、「フレンチ精進料理の会」の最明寺など、川越では、お寺や神社を活用した催しがいくつも行われており、関わり方も様々です。
偉そうな物言いとなってしまいますが、収益(?)を上げることだけに血眼になるのではなく、観光資源や地域資源としての寺社の特性を生かしつつ地域や地域外とつながり合うことが模索されているのではないかと思います。
その意味で川越氷川神社は一つの極点を示しているように感じました。